
立川駅から徒歩7分。焙煎機と過ごす秘密基地。
ショッピング施設や飲食店が立ち並び、西東京でも栄えた印象の立川。
生活を営む人びとで賑わう駅前の通りを少し歩くと、フラッと立ち寄りたくなる佇まいの「TARO’S COFFEE ROASTERY」に出会う。


焙煎機がすっぽりと入り、コーヒーの新鮮な香りが少し洩れたこの空間から、立川ストリートを行き交う人びとを毎日見ている店主の松村さん。
“コーヒーを淹れるための秘密基地”、そんな言葉が似合うこの空間は、何がきっかけとなり出来上がったのだろう。
そんな疑問を解く、松村さんとコーヒーとの馴れ初めを聞かせてくれた。
珈琲生活館に出会う前、コーヒーへのイメージが “飲みやすいor飲みにくい” だったのものが “コーヒーは美味しいモノ” という認識に変わったそう。
初めて飲んだスペシャルティコーヒーの新鮮な味わいに感銘を受け、職を変えてしまうほどの情熱で焙煎を独学で学び、2018年誕生したTARO’S COFFEE ROASTERY。
楽しそうに話す松村さんは、
“1杯のコーヒーに人生を変えられたひと”って言葉がぴったりだ。
厳選された新鮮な豆を、手の届く価格で
取材をしていると、チラホラお客さんがいつものように豆を買いに来る。
お店に来る人たちの間で松村さんは、本名の一部をとった”タローさん”の愛称で親しまれているようだ。
「この前は〇〇を買って美味しかったから同じのと、あとオススメのあればソレも。」
そんな会話から、立川に住む人びとの日常に、タローさんとコーヒーが溶け込んでいるように思えた。
TARO’S COFFEE ROASTERYはどういうコーヒーを提供しているのだろう。
一番のこだわりを聞くと「新鮮で、普段使いできる価格帯のモノ」と返ってきた。

確かに安い。
テイクアウトカップで提供してくれるドリップコーヒーは380円で堪能できるのだ。
豆の種類も常に10~15種類取り揃えており、ペーパードリップ で淹れることに焦点を当てたこだわりの焙煎。
どれを選んでも間違いないが、その時の気分を伝えてタローさんにセレクトしてもらうのが、ここで飲むコーヒーの一番美味しい飲み方かもしれない。

人との縁を大切に、共に作り上げる姿勢
街の人びとに愛されるTARO’S COFFEE ROASTERY。
そんなお店だからこそ大切にしている想いをタローさんに聞くと
タローさんの言う通り、点と点が線で繋がり、毎週日曜日にここでコーヒーを淹れているのが美大生の手塚さん。

もともとお客さんとして、高校生の頃からタローさんのお店に通っていたそう。
部活の休憩時間、部員たちにハンドドリップでコーヒーを淹れてあげたところとても好評で、コーヒーカルチャーにどっぷりとハマってしまったようだ。
コーヒーを淹れる技術はタローさんのお墨付き。
ここで会話をしているうちに、タローさんの方から手塚さんをスカウトしたそうだ。
コーヒー器具に特に興味があるようで、そういったモノのデザインに携われるよう、日々勉強に励んでいる。
TARO’S COFFEE ROASTERYの魅力的な看板も、彼が手掛けた作品だ。

手塚さんにもTARO’S COFFEE ROASTERYの魅力を聞くと
2人が言う通り、ここはコーヒーだけでなく人との関わりも楽しめる場所だ。
タローさん1人だけでなく、若い世代のテイストも加わったお店。
お互いがお互いを刺激し合うこの空間では、年齢も性別も、国籍だって関係ない。
そんなことを思ってるとほら、またお客さんが2人のもとへ。

タローさんのコーヒーで、あったかい気持ちをテイクアウト。
さまざまな人が暮らすこの街では、さまざまなシーンでタローさんのコーヒーを買いに来る。
家に帰る前に立ち寄ったり、仕事の休憩中のひと息に、恋人たちがデートの途中に。
道路に面したこのお店では、お店の前に車を停め、ドライブスルー感覚で立ち寄る人も多いそうだ。
飲んだ後、あったかい気持ちで歩き出せるTARO’S COFFEE ROASTERYの焙煎機の近くには、コーヒーの木が育っている。

タローさんのコーヒーへの愛情が垣間見え、そういった柔らかな気持ちが込められて焙煎された豆から抽出されたコーヒーが、立川の人びとの心をあっためてるのかもしれない。

住所 | 東京都立川市曙町2-25-2 |
営業時間 | 11:00~17:00(定休日:月曜日) |
電話番号 | 09052066911 |
テイクアウト | 有 |
WiFi・電源 | 無・無 |
駐車場 | 無 |
席数 | 2席 |
ホームページURL | |
インスタグラムのアカウント | https://www.instagram.com/taroscoffeeroastery/ |