市場×スペシャルティコーヒー!?DIYなコーヒートラック「COFFEE ICHIBA」(北野)

スペシャルティコーヒーを楽しめる場所が、市場の中に。

京王線北野駅から徒歩10分ほどの場所に、「八王子総合卸売センター」という、いわゆる”市場”がある。

「業者の人じゃなくても入れるの?」
「スーパーに入る感じで買い物もできるの?」

市場というものに馴染みがない人は、そういうことが頭に浮かぶかもしれない。
八王子総合卸売センターは、一般の人も気軽に買い物ができる場所だ。

そんな市場の中に、スペシャルティコーヒーを楽しめるスポットがある。

市場には新鮮な食材がずらりと並ぶ。
場の雰囲気を楽しみながらフラフラと歩くと、カフェの前を通り過ぎた時のような、コーヒーのあの香りが近づいてくる。

香りの先を辿ると、市場のイメージをガラリと変える、お洒落なフードトラックが停まっていた。

ここの名前は、「COFFEE ICHIBA」。
市場を拠点に新鮮なスペシャルティコーヒーと手作りのアメリカンクッキーを提供する、ケータリングも可能な移動式のコーヒー屋さんだ。

コーヒーはハンドドリップで、一杯ずつ丁寧に淹れてくれる。
市場を目的に来た人は、ここCOFFEE ICHIBAで初めてスペシャルティコーヒーと出会ったという人も少なくないだろう。

市場とコーヒーを繋ぐのは23歳の青年

“市場”と”スペシャルティコーヒー”。
今までマッチすることがなさそうだったこの2つを繋ぐのは、驚くことに大学を卒業したばかりの23歳の青年。

コーヒーを淹れてもらっていると、「レイ君、レイ君!」と市場で仕事をする人たちが寄ってきた。

ハンチングがトレードマークのレイくん。
世代関係なく誰でも気さくに話すその姿は、「市場に馴染んでいるコーヒー屋さん」と言いたいところだが、「市場に活気をもたらすお兄さん」の方がぴったりかもしれない。

お母さん、あばあちゃん世代の人からは親のような目で見守られ、同世代の人は友達のような感覚でフラッと遊びにくる。

コーヒーを淹れる時の眼差しは真剣そのものだが、この日だって盛り上がる話題はやっぱり女の子のこと。

そんな等身大の23歳の姿が、年代関係なく愛される秘訣なのかもしれない。

そもそも、なぜコーヒー屋を、なぜ市場でやろうと思ったのか。
そのきっかけを聞いてみた。

僕は出身は岐阜なんですけど、高校生ぐらいの時から「好きな人たちがたまれるような場所」を作りたいなってずっと思ってて。
大学進学で八王子に住み始めて、なんとなく飲食店に興味があったんで、カフェで働かせてもらうことがあったんです。

そこで働く前までは、“飲食”っていうぼんやりとしたビジョンしかなかったんですけど、初めてスペシャルティコーヒーを飲んだ時に、これで勝負していきたいって思いました。

それで、“飲食店”という大きな選択肢の中から“コーヒー屋”にちょっと絞ることができて、そこからはどっぷりコーヒーにハマっちゃったって感じです。

「市場」でやることになったのは、この店のすぐ先にある「SEAFOOD MARKET」との繋がりがすごく強くて……。

 

そこで案内されたのは、数メートル先にある「SEAFOOD MARKET」という、市場の新鮮な食材を使ったサンドイッチ屋さん。

COFFEE ICHIBAと同じく、「ここは本当に市場なのか!」と、これまでのイメージを良い意味で壊してくれるお洒落な空間だ。

ここの店主のナオヤ君と出会って、僕がSEAFOOD MARKETで働くことになって…。
それが僕が市場に出入りする始まりです。

当時、SEAFOOD MARKETが今後、「サンドイッチだけじゃなくて、コーヒーにも力を入れていきたい」というので、それなら僕もやらせてもらいたいって思い、一緒に働くことになりました。

今のコーヒートラックとしての形態が出来上がる前は、SEAFOOD MARKET内のコーヒースタンドとして、お客さんにコーヒーを提供してたんですよ。

でも実際はコーヒーだけじゃなくて、魚を捌いたり仕込みをしたり…本当色んな経験をさせてもらいました(笑)。

冬場はめっちゃ寒いのに、市場の新鮮な食材があるからストーブとかもいれられなくて…。
めっちゃキツい環境でしたが、今思うとすごく楽しかったし、普通は出来ないことをたくさんさせてもらいました。

市場でやることで、自分が知らなかった世界を覗くことができたのはすごく刺激的でしたね。
そういった経験や、人との出会いの面でも、ナオヤ君にはめちゃめちゃ感謝してます。

「市場の魅力を若い人にも知ってもらいたい」というSEAFOOD MARKETの店主、ナオヤ君との出会いから始まったCOFFEE ICHIBA。

色々な経験を経てコーヒートラックが出来上がり、ともに市場を盛り上げる2人の姿が、兄弟のようで羨ましくも感じられる。

COFFEE ICHIBAは同じ志を持つ人たちと切磋琢磨しながら、市場で新しい試みに挑戦しているということは、レイ君やナオヤ君の姿を見ているととてもよく伝わる。

市場を目当てに来た人が、スペシャルティコーヒーやボリューミーなサンドイッチに触れる機会を作ることができるし、コーヒーやサンドイッチを求めて来た人が市場を初めて訪れるきっかけにもなる。

そして何より、レイ君のコーヒーとナオヤ君のサンドイッチの相性は抜群。
サンドイッチを買って、コーヒーも飲みにくるルートがここでは定番のよう。

DIYなマインドで。
やれる事は自分たちでやる世代。

COFFEE ICHIBAの魅力は、まだまだある。
コーヒートラックの塗装や内装は、レイ君自身の周りの人たちと協力して、DIYで作り上げているのだ。

随所にレイ君と仲間たちのセンスが、このトラックには詰まっている。

「出来ることは可能な限り自分たちでやる」。
そんなDIYな考え方は、レイ君のライフスタイルにヒントがあるのかもしれない。

彼は地元である岐阜の仲間やコーヒー屋が作ったTシャツを着て店頭に立っていたり、スケートボードが好きだったりと、そういった “楽しみは自分たちで作る” ストリートカルチャーが好きな若者たちが周りにたくさんいる。

市場で店をやることで「自分の知らなかったことを知れるのが楽しい」と語っていた彼には、逆に「市場では知られてないような面白いことを発信していきたい」という強い思いがある。

さらに驚くことに、そんなDIYな気持ちが強いせいか、コーヒー豆の焙煎も彼自身が行っている。

なんでも自分でやってみたくなっちゃうんですよね。
本当は、豆を育てるところから自分でやりたいんですけど、今はそれはあまり現実的ではないので…。

今自分自身で出来ることの一番根っこの部分が、「焙煎」からなのかなって思います。

最初は手網での焙煎から始めたんですけど、今は八王子駅の南口にあるLAMP COFFEEの焙煎機を借りて焼いてるんです。

その日の温度とか湿度とか、そういうので焼き方がかなり変わってきちゃうのですごく難しいんですけど、やっぱり焙煎は楽しいですね。

市場を拠点にしているため朝8:00からCOFFEE ICHIBAとして営業し、夕方以降は焙煎に没頭。
水曜と木曜のCOFFEE ICHIBAが定休日の時には、LAMP COFFEEの店頭に立つこともあるそう。
そんな多忙なコーヒーライフをこなせるのは、やはり彼のコーヒーへの情熱が並大抵のものではないからだ。

弱冠23歳。
アクセル全開で突き進むレイ君が丹生込めて淹れる手作りのコーヒーは、飲み手の心にグッと近づいてくれるに違いない。

住所八王子市北野町584-30 八王子総合卸売センター内
営業時間8時〜15時
定休日:水曜〜木曜
電話番号
テイクアウト
WiFi・電源無・無
駐車場
席数市場のイートインスペース有
ホームページ
インスタグラムのアカウントhttps://www.instagram.com/coffeeichiba/