
坂を登ると現れる、高尾のもうひとつのテング
高尾山で有名なこの町には、駅の構内に大きな天狗がいる。

今回ご紹介する場所は、高尾にお店を構える、もう一つのテング。
高尾駅北口を出て坂道を登る。


坂の上にお店を構えるそこは、暑くなればなるほど行きたくなる、この季節にぴったりの場所。
15分ほど歩き、坂道の途中現れたのは、秘密基地のような どこか懐かしさを感じられる佇まいの珈琲豆焙煎所『TenguCoffeeTAKAOSAN』。

中を覗いてみると、日々の仕事や学業で疲れた羽を伸ばせるような、そんな空間が広がる。


新鮮な自家焙煎珈琲を、ティーバッグ方式のドリップバッグで
ここTenguCoffeeTAKAOSANは、テイクアウト用の珈琲豆の販売や、自家焙煎珈琲の試飲会を行っている自家焙煎珈琲の焙煎所。


ここのドリップバッグはティーバッグ方式を採用している。
理由を聞くと、元々は「山用の珈琲」として作っていて、高尾山でも美味しい珈琲が飲めるようにと考案されたもののよう。
通常のドリップバッグだと、どうしてもゴミが出てしまう。
だけどティーバッグ方式のものであれば、水筒にドリップバッグとお湯か水を入れるだけでいいので、ゴミも出ず、手軽に美味しい珈琲がいただけるのだ。

夏×珈琲=かき氷
夏になると、自家焙煎珈琲の美味しさを凝縮したかき氷がメニューに出現する。
昨年から提供を始めたかき氷は、試作を含めて今年で5年目。
“スッキリ気持ちよく食べ終えられるかき氷”を目指し、追求に追求を重ねたここのかき氷は、溶ける前も溶けた後でも美味しく食べられるよう洗練された味わいが楽しめるのだ。



現在のかき氷のメニューは、珈琲味と梅味。
シロップに使う食材は店主である高橋さんが「ご縁」を感じるもののみを使用しているそう。


梅味はシロップの他にも梅のピューレが乗っていて、素材の個性を丁寧に扱った上品な味わいが楽しめる。
かき氷の提供は”涼しい時期になるまで”。
昨年は9月いっぱい提供していたので、今年も暑さ次第ではあるが、そのぐらいの時期までの提供を予定しているそう。
また数に限りがあるので、絶対に食べたい人は、インスタグラム等で事前に連絡しておくと◎。
毎年の夏の楽しみの1つに、TenguCoffeeTAKAOSANのかき氷を取り入れてみてはいかがだろうか。
高尾だからこそ感じられる自然と共に
TENGU coffeeの魅力は自家焙煎珈琲やかき氷だけではない。
まず挙げたいのが、高尾だからこそ感じられる自然と共に時間を過ごせるテラス。
夏を感じられる日差しに、流れるように吹く風。
常設されたハンモックに揺られながらかき氷や珈琲を堪能したら、”大人の夏休み”を感じられるに違いない。

最高のリラックス空間を手がけるヒント
店内を見渡すと、快適なリラックス空間を築き上げるヒントがチラホラ見つかる。
なぜ、こんなにも開放的な気持ちになれるのか。
そのヒントは本棚にあった。


珈琲についての本はもちろんだが、その他にもサウナやドライブなどの、精神的な気持ち良さを追求する書籍が並んでいた。
高橋さんの趣味でラインナップされている本の数々。
珈琲だけでなく、心の開放感やワクワク感を大切に思い、それを追求する店主が手がける空間だ。
ここには「お客さん」と「お店の人」の壁はない。
気さくに話をしてくれる高橋さんは、ここを訪れる人たちを「お客さん」として接するのでなく、ひとりの人として、しっかりと見ていてくれている気がした。
一人ひとりとしっかり向き合うことから生まれる「オリジナルブレンド」
かき氷や空間のことを最初に触れてきたが、ここは”珈琲焙煎所”。
スペシャルティの新鮮な豆を焙煎し、提供するのがメインの空間だ。
先にも書いたが、ここには「お客さん」と「店主」の壁がない。
なんでも話せる環境だからこそ生まれるサービスが「オリジナルブレンド」だ。

お客さん一人ひとりとしっかり会話をし、どんな珈琲を今求めているのか。
その人はどこに住んでいて、これからも何度も会う機会があるのか。
そういったことも考慮し、何度もリピートしてくれるような環境であれば「まずはここから」といった勧め方をしてくれる。
長い付き合いを見行して提案してくれるそのスタイルは「次にどんな豆を勧めてくれるのか」と、先のワクワクをも作ってくれるように感じられるし、それが”自分専用のブレンド”だったら嬉しさを隠しきれないはずだ。
「ご縁」を大切にする店主こそ、ここの名物
店主の高橋さんが「ご縁」を特に大切にしていることは、ここを訪れた人なら誰でも感じられるはず。
それは、ここで使われているメニュー用の判子や、かき氷の暖簾にも表れていて、エピソードを聞けば聞くほど人と人との繋がりの大切さを改めて思わされる。


手掛けた人たちとの出会いや経緯は、ぜひ高橋さんに直接聞いてみてもらいたい。
やはり文章ではなく、人と人との間で生まれるものをTenguCoffeeTAKAOSANでは特に感じてもらいたいのだ。
なぜ、こんなにも「ご縁」を大切に思うのか。
高橋さんに聞くと、こう返ってきた。
ここにきたお客さんが主役であって、その主役のお客さんたちがどうやって繋がっていくのか。
ふと、偶然居合わせたお客さん同士を繋ぐハブになるのが、僕の仕事だと思っています。
そこに居合わせたことも「ご縁」だと思うし、そこを繋げてできた関係も「ご縁」。
オリジナルブレンドにしても、勧める相手の家族構成だとか、いつが誕生日なのかとか、そういう部分の情報も、個人個人に合わせたブレンドには必要になると思うんですよね。
やっぱり話すことで、その人のライフスタイルや考え方が見えてきますし。
豆の種類のブレンドだけじゃなくて、プラスして「なぜその人に」なのか。
そういう想像力を働かせることが大事なことだと思いますし、何よりもそういうことを考えるのが好きなんですよ。
だからこのお店は「ご縁」を感じるものを食材や内装に取り入れています。
そういう僕にしかない「ご縁」で作らないと、”僕がやる意味”はないかなと思います。
そういったあたたかい感情を改めて育ませてくれる、TenguCoffeeTAKAOSANとはそういう場所だ。


住所 | 東京都八王子市館町657 |
営業時間 | 水曜〜金曜:13時〜17時 土曜〜日曜:13時〜18時 月曜〜火曜:定休日 |
電話番号 | 042-699-1092 |
テイクアウト | 有 |
WiFi・電源 | 有・有 |
駐車場 | 有 |
席数 | 室内:約4席/テラス:約4席 |
ホームページURL | https://tengucoffee.com |
インスタグラムのアカウント | https://www.instagram.com/tengucoffee_takaosan/ |